まちづくりの見地から観光業を推進
穏やかな気候と豊かな自然に恵まれ、個性あふれる歴史と文化を有する豊川市の魅力を
観光産業の観点から豊川観光協会会長の笠原盛泰氏に語っていただきました。
豊川商工会議所 副会頭 笠原 盛泰氏
観光を軸に住む人も訪れる人も楽しめるまちづくりを
地域に根ざした事業展開を行いながら、多くの公職に就き、まちづくりや地域活性化に尽力している笠原観光協会会長。その熱い語り口に、豊川市へのそして観光産業への想いが溢れます。
豊川市は、豊川、音羽川、佐奈川の3つの川が流れる自然豊かな街で、気候も温暖です。その歴史は2万年以上前の旧石器時代にまでさかのぼって、縄文時代からの遺跡もあり、江戸時代には豊川稲荷が広く知られ、東海道の御油・赤坂の宿場も賑わったものです。昭和に入ってから建設された豊川海軍工廠など、寺社仏閣を始め歴史的なものを堪能できる名所が豊富に点在しているのが特徴です。
昭和18年に3町1村が合併して豊川市が誕生し、平成には宝飯郡4町と3度の合併。それぞれの町村が中心地を形成して合併を繰り返したため、市街地が広範囲で中心市街地の形成ができていないのが現状です。
商売繁盛の神様として全国的に知られている豊川稲荷のおかげもあって、豊川市は年間750万人を集客しており、1,000万人を目標に頑張っていましたが、コロナ禍で1/3まで激減しました。脱コロナを目指して、改めて交流人口が増えるように、インバウンドなども考えに入れて、まちづくりという観点で観光業を推進していきたいと思っています。
どんどん発信していけばイオンモールはメディアになる
ファミリー層を中心に幅広い年代層が集まる場としてのイオンモール豊川に、発信力や影響力が求められています。今後、観光協会など行政も協力していくことで、人々の市内回遊にも期待が集まります。
新しいイオンモール豊川は、市外から人を呼び込める規模の商業施設ですので、豊川の観光にも充分貢献いただけると期待しています。物販だけでなく、イベントやポップアップショップなどの仕掛けを積極的に発信して、ぜひ「集客メディア」になっていただきたいですね。イオンモール豊川のポップアップショップが豊川稲荷門前に出ていっても良いし、イオンモール豊川の館内や駐車場で、まちおこしイベントが行われたっていい、そんな融合と発信で、地域に活力が生まれることを願っています。
今、豊川稲荷門前や、千歳ロード商店街など地域ごとのまちづくりをしていますが、これからまだまだいろんなことができる可能性を感じています。観光協会としても市外の方から“ 豊川に行けば何かやっている”と言われるくらいの発信力と企画力を持って、豊川市内全体の活性化に結びつけるように努力していきたいと思っています。
キラリとセンスが光る豊川のブランドカタログを♪
笠原観光協会会長は、豊川市商工会議所副会頭も兼任されていて、豊川市から補助を受けて、商工会議所がイオンモール豊川内に展開する地場産業店舗「豊川ブランドショップ(仮称)」の出店にも携わっています。
豊川商工会議所が、イオンモール豊川内の1区画に「豊川ブランドショップ(仮称)」を出店し運営します。地元の小さなお店では、なかなかイオンモールに出店することは、コスト面や営業時間を合わせないといけないなどハードルが高いものですが、そこをチャレンジしやすくしているのです。
他にも、豊川でブランド力がある企業の商品を置くことで、「この有名な商品が豊川市にある会社のものだったんだ! 」という驚きと一緒に、市民の方々には、地域の誇りにも感じてもらえるのではと思います。
豊川には、メディアにも取り上げられるようなユニークな商品や、豊川稲荷にちなんだ縁起物のお土産、全国的に有名になったご当地グルメなど名産品がたくさんあるので、それらもアピールしていきたいですね。
観光情報の案内などもしていきますので、豊川の食や文化など多彩な魅力を国内外に広げるためにも、行政が運営しているとは思えないようなカジュアルでセンスの良いものにしていきたいと考えています。
まだまだ伸びしろいっぱい観光での成長戦略が不可欠
豊川には、地元にこだわらず、分け隔てなく受け入れる度量の大きさが育っているといわれています。新しいランドマークとなるイオンモール豊川とのタイアップで、新しい観光戦略が組まれることでしょう。
豊川市は、農商工と豊かな地域なので、観光でないとまちづくりができないという地域ではありません。だからこそ、アピールが足りないところがあり、その演出不足からむしろもったいないと思っています。
豊川は、豊かな自然や歴史的資源に恵まれて、東京にも関西にもどちらにもアクセスしやすい地域ですので、全国からもっともっと多くの人々に訪れてもらえるところだと思っています。
観光協会では、住んでいる人だけでなく訪れる人も楽しめるまちづくりを旗印に、商業事業者たちが集まって、豊川としてのおもてなしや地域産業を考えています。
58万人の動員を叩き出して、人が訪れるということの重要性を学んだB-1グランプリin豊川から年月も経ちましたので、次の一手が求められています。
イオンモール豊川が誕生するというこの機会に、地域一丸となって活性化に力を尽くしていきたいですね。